福岡高等裁判所宮崎支部 昭和27年(う)58号・昭27年(う)57号 判決
もつとも、所論関税法第一〇一条の四の規定によれば税関官吏以外の公務員が本法違反事件を発見し、または関税法規の犯則被疑者を逮捕した場合は遅滞なく当該事件を最寄税関官署に引継ぐべし。とあるが、その法意は、前示法律の諸規定と照し合せてみると、その引継とあるのは、所論のように身柄そのものの引継ぎではなく事件そのものの引継ぎをせよというのであると解せられるから身柄は勾留等の関係により検察官に送致し、証拠物件は関税及び鑑定等の必要から税関官署に引継ぐことを要すること多言を要しないところである。かように、法定の手続を履践してなされた以上、税関官吏の告発は単に訴追条件に過ぎないから、その告発以前に被告人等を被疑者として勾留なし得ることは当然であつて、それをもつて直ちに所論のようにその勾留は三権分立の原則に反するものということはできないし、しかも、犯罪捜査中はいかなる段階にあつても、前示法律にないものとしてその公訴を棄却したことは相当であつて原判決には法律の解釈を誤り又は事実を誤認した違法はないから論旨は採用することはできない。